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一枚のハガキ

一枚のハガキ

『一枚のハガキ』は、撮影当時98歳という日本最高齢監督の新藤兼人が監督を務めた2011年の日本映画。新藤兼人自身の実体験に基づき、戦争で家族を失った男女の姿を映し出しています。豊川悦司、大竹しのぶといった歴代の新藤作品に出演した豪華俳優陣が集結しています。国内外の映画祭でも高い評価を受けてきた巨匠が作品に込めた、反戦への強い思いに胸を打たれる作品です。2012年1月18日、第85回米アカデミー賞外国語映画賞に日本代表として出品されましたが、ノミネートは逃しました。同年3月19日にも第6回アジア・フィルム・アワードの作品賞、脚本賞の候補に挙がりましたが、受賞は逃しています。

カタルシスを味わう

概要

98歳での映画監督は日本最高齢記録。新藤兼人が映画人生最後の作品として、自身の戦争体験を元に撮影されました。次作が望まれたものの、2012年5月29日に老衰のため自宅で死去。今作が遺作となりました。

あらすじ

戦争末期に召集された100人の中年兵は、上官がくじを引いて決めた戦地にそれぞれ赴任することになっていた。クジ引きが行われた夜、松山啓太(豊川悦司)は仲間の兵士、森川定造(六平直政)から妻・友子(大竹しのぶ)より送られてきたという一枚のハガキを手渡される。「今日はお祭りですがあなたがいらっしゃらないので何の風情もありません。友子」検閲が厳しくハガキの返事が出せない定造は、フィリピンへの赴任が決まり、生きて帰って来られないことを覚悟し、宝塚へ赴任する啓太にもし生き残ったらハガキを持って定造の家を訪ね、そのハガキを読んだことを伝えてくれと依頼する。戦争が終わり100人いた兵士のうち6人が生き残った。その中の一人、啓太が故郷に帰ると、待っている者は誰もおらず、家の中は空っぽだった。啓太が戦死したという噂が流れ、恋人同士になってしまった妻と啓太の父親は、啓太が生きて帰ってくるとわかり二人で出奔したのだった。生きる気力を失い、毎日を無為に過していた啓太はある日、荷物の中に定造から託されたハガキを見つける。一方、夫を亡くした友子は悲しみに浸る間もなく、舅姑から自分たちは年老いて働けないのでこのまま一緒に暮らしてほしいと頼まれる。その上、村の習わしで長男が死んだら次男が後継ぎとなることが決められており、友子には次男の三平(大地泰仁)と結婚をしてほしいという。他に身寄りのない友子は、愛する夫との幸せな人生を奪った戦争を恨みながらも、定造の家族と生きていくことを承諾する。ささやかな儀式で夫婦となった友子と三平だったが、しばらくすると三平も戦争に招集され戦死。その後、舅と姑が立て続けに死に、ひとり残された友子は定造の家族が唯一残した古い家屋と共に朽ち果てようとしていた。そんなある日、ハガキを持った啓太が訪ねてくる。クジ運だけで自分が生き残ったことに罪悪感を感じる啓太と、家族も、女としての幸せな人生も、何もかも失ってしまった友子。戦争に翻弄されたすべてを奪われた二人が選んだ再生への道とは……。

受賞

  • 第35回日本アカデミー賞 優秀監督賞
  • 第54回ブルーリボン賞 監督賞
  • 第36回報知映画賞 特別賞
  • 第66回毎日映画コンクール 日本映画大賞 脚本賞 美術賞 音楽賞 録音賞
  • 第85回キネマ旬報ベストテン 日本映画ベストワン 作品賞
  • 第23回東京国際映画祭 審査員特別賞
  • 第24回日刊スポーツ映画大賞 監督賞 作品賞
  • 第35回山路ふみ子映画賞 映画賞
  • 第29回ゴールデングロス賞 全興連特別功労大賞

出演者

  • 松山啓太:豊川悦司
  • 森川友子:大竹しのぶ
  • 森川定造:六平直政
  • 泉屋吉五郎:大杉漣
  • 森川勇吉:柄本明
  • 森川チヨ:倍賞美津子
  • 利ヱ門:津川雅彦
  • 森川三平:大地泰仁
  • 松山美江:川上麻衣子
  • 利ヱ門の妻:絵沢萠子
  • 和尚:麿赤兒
  • 下士官:渡辺大

スタッフ

  • 監督:新藤兼人
  • 脚本:新藤兼人
  • 製作:新藤次郎、渡辺利三、宮永大輔
  • プロデューサー:新藤次郎
  • 撮影:林雅彦
  • 美術:金藤浩一
  • 音楽:林光
  • 録音:尾崎聡
  • 照明:山下博、永田英則
  • 編集:渡辺行夫
  • ラインプロデューサー:岩谷浩
  • 配給:東京テアトル

大竹 しのぶ(1957年7月17日 - )

大竹 しのぶは、東京都立小岩高等学校を経て、桐朋学園大学短期大学部演劇専攻科中退。モデル・IMALUは明石家さんまとの娘。東京都品川区出身。2008年2月29日、11年弱所属した芸能事務所シス・カンパニーとの契約を終了しました。2008年4月から個人事務所エスターにてエイベックスエンタテインメント(後のエイベックス・マネジメント)と業務提携するも2009年8月31日付で解消しました。

出演映画(2000年以降)

  • 天国までの百マイル(2000年、日活)
  • 式日(2000年)
  • GO(2001年、東映)
  • 阿修羅のごとく(2003年、東宝)
  • ふくろう(2003年)
  • 恋の門(2004年)
  • キトキト!(2007年、シネカノン)
  • 遠くの空に消えた(2007年)
  • クワイエットルームにようこそ(2007年、アスミック・エースエンタテインメント)
  • たみおのしあわせ(2008年)
  • 石内尋常高等小学校 花は散れども(2008年、シネカノン)
  • 火天の城(2009年)
  • ダーリンは外国人(2010年)
  • 借りぐらしのアリエッティ(2010年、東宝)声の出演
  • シュアリー・サムデイ(2010年)
  • オカンの嫁入り(2010年、角川)
  • ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う(2010年)
  • 信さん・炭坑町のセレナーデ(2010年)
  • 一枚のハガキ(2011年)
  • 女たちの都~ワッゲンオッゲン~(2012年)
  • つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語(2013年、東映)

出演ドラマ(2000年以降)

  • オードリー(2000年、NHK朝の連続テレビ小説)
  • 編集王(2000年、フジテレビ)
  • 金曜エンタテイメント 実録 福田和子(2002年・フジテレビ)
  • 優しい時間(2005年、フジテレビ)
  • スタートライン~涙のスプリンター~(2005年、フジテレビ)
  • 少しは、恩返しができたかな(2006年、TBS)
  • 冗談じゃない!(2007年、TBS)
  • ありがとう、オカン(2008年、関西テレビ・フジテレビ)
  • 世にも奇妙な物語 春の特別編『ボランティア降臨』(2009年、フジテレビ)- クボタミチコ役
  • それでも、生きてゆく(2011年、フジテレビ)- 野本響子 役
  • 月曜ゴールデン 看取りの医者 バイク母さんの往診日誌(2011年、TBS)- 栗山みどり役
  • ドラマ特別企画2011 帰郷(2011年、TBS)- 深谷あさみ役
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